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アメリカ細胞病理学会(ASC)(オースチン市)にてInternational Achievement Award(国際貢献賞)を受賞

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去る1115日から19日まで、第71回米国細胞病理学会American Society of Cytopathology(ASC)が米国テキサス州オースチン市において開催された。教育的なセッションも多く組み入れられ、今回もデジタル細胞診、AIと細胞診、細胞診を用いたゲノム解析など教育的な内容も盛沢山で参加者も大変多かった。会期中1118日 のビジネスミーティングに続いて、各賞の授賞式が行われた。

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私は、幸運にもこれまでの国際交流活動が評価され、国際貢献賞を受賞することになった。

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大変な光栄だと思っている。これまで国際細胞学会International Academy of Cytology(IAC)の活動も多く理事長を拝命したりしたが、ASCとは多くのメンバーが共通であり、両組織は近しい関係にある。202211月には、IAC国際会議がASCとの合同でボルチモア市にて開催され、大盛会であった。

胞診の扱う内容もデジタル、ゲノムなどは国際的な活動であり、今後会員間の国際交流は極めて重要なファクターとなって行くと思われる。今後も引続き国際活動に貢献したいと思う。

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米国病理医協会College of American Pathologists(CAP)にてPresident's Honorを受賞

CAPは、病理診断、臨床検査の精度管理を目的としたNPOであり、以下の任務を担っている。

(1)病理検査・診断室の認定、(2)教育、(3)病理医教育を主体とした年次総会

 

今年度のCAP Meetingは、106日から9日までシカゴで開催された。

6日の夕刻に、President of CAP  Dr. Emily Volkから表彰状とバッジをいただいた。

授与式.jpgPresidents Honors.jpg

私は、1970年に医学部を卒業し直ちに渡米して、病理医としてのトレーニングを受けた。

デンバーに4年、デトロイトに1年滞在し、最終年に米国病理専門医試験に合格し(Board Certified by American Board of Pathology ABP)、直ちにCAPの会員となった。

Memberとして種々のCAP病理教育プログラムに参加した。2005年にはEndocrine PathologyShort course "Case Studies in the Diagnosis of Neuroendocrine Tumors" を行った。更には、Certified CAP Inspectorとなり、現在国内外の施設認定に従事している。

今回は、この永年のCAPへの貢献が認められたことは、非常に嬉しく、今回の受賞はこの上ない栄誉であると思っている。


USCAPのWebsiteのFront page.jpg

312日より16日まで米国New Orleansで開催されたUnited States-Canadian Academy of Pathology(USCAP)に出席し、私が前理事長Past Presidentである国際病理アカデミーIAP関係の会議に出席し、Special CourseShort Courseなど教育プログラムに参加した。

Exhibit area の opening .jpg

多くの友人にも会い、対面での会話、Discussionの素晴らしさを改めて実感した。

セッションには多くの現地参加者.jpg

私が最初に出席したUSCAP1975年のNew Orleansであった。Ultrastructure of esthesioneuroblastomaのポスター発表を応募したが抄録はLab Investに掲載されRead by titleの扱いになった(現在はこの形式は無くなっている)。その年に日本に帰国したが当時業績はこの抄録1編だけであった。現在は500以上になっている。このNew OrleansUSCAPのあと、日本からほぼ毎年参加している。演題を応募して採択になった年も多かった。従って、私はこれまで国際的な拠点にUSCAPを念頭において活動してきた。

昨年10月にSydneyで開催されたIAP国際学会で、USCAP2028年にIAP国際会議をTorontoで開催されることが決定された。また、今回のUSCAP会期中のBusiness meetingUSCAP PresidentJohn Hartからアナウンスされ、私は大変嬉しく思わず大きな拍手をしてしまった。今後IAP国際学会は、2024年にCancun2026年にFukuoka、そして2028年にTorontoとなる。


New Orleansに関しては、もう一つ思い出深いことがある。私が1975年に滞在した際に初めてFrench quarterBourbon streetJazz,を聞き、それ以来"Jazzの虜"になったことである。今回も行ってみたが、昔と比べてライブジャズの店は減ってしまい、street musicianも多くは無かった。それでも1軒のJazz liveFritzel'sに入ったが素晴らしい演奏を聴かせてくれた。Jumbo Shrimp Jazz Bandというグループで沢山のYouTubeを出している。

New Orleans Jazz At Bourbon Street と Bourbon Street の夕刻.png

Jazzの火がまた勢いよく燃え始めた感じがしている。



 LAにおけるUSCAPに出席して Nothing better than face-to-face meeting

USCAP2022.png

318日に成田空港を出発して、25日に成田空港に戻るまで約一週間ロサンゼルスに滞在しUSCAPに出席した。ちょうど2年前に同じLAUSCAPがあり久しぶりの海外出張であった。以下のような手続きが必要であった。

往路:3回のCOVID-19ワクチン接種証明書

出発24時間以内のPCR陰性証明  My SOSInput

航空会社のQuick check-in

   米国への入国はスムーズであった。VisaESTAを取得

復路:出発72時間以内のPCR陰性証明

   MySOSInput

   成田空港で唾液検査

以上クリアになって、入国のパスポートのチェックの後入国となる。

   待機期間は撤去されていた。

 

USCAPは、平素は6000人規模の出席者In personがあるが、今年はIn person, On-line live, On demandの種類があり、全登録者数は4000名のところ現地での出席者は2000名程度であった。それでも会議もin personで開催され、学会発表もon-siteであった。

USCAP 学会場.jpg

久しぶりに多くの友人と会うことができ、嬉しい時の連続であった。

学会では、いつも通りのCompanion meeting(年々増加の傾向にあるが、、)、各種受賞講演、short courseslong courses、ポスター、口演などが朝から晩まで続いていた。

私は、IAC Companion sessionに座長を務めた、このセッションはon-siteのみで、会場への出席者の数が気になっていたが、こちらが手応えを感じる位の聴衆が集まり、議論も白熱した。内容はWHO-IACのコラボで細胞診の報告様式が作成されており、タイムリーな企画であったと言える。IAP-USCAPjoint session としてEducational Symposiumが行われた。内容的には、"slide-less teaching pathology"WSIのデジタルイメージを用いた病理教育、病理診断の精度管理、Molecular pathologyなど多岐にわたる内容で、質疑応答も活発に行われた。病理教育に力点を置くIAPとして相応しい内容であった。

前回On-siteUSCAPに参加してから、早くも2年もたってしまった。長年の友人とは、朝食、夕食をともにしながら種々の話題に花を咲かせ、学会場ですれ違う多くの知人に声を掛け合い "I am here in the States, it is really nice to talk to you!!"を実感した学会であった。

USCAP Osamura  at Exhibits  .jpg

ESP/IAPの最終日(日本時間1293:45am)に開催された閉会式において、前理事長(Past President)Dr. Dietmar Schmidtから下記のGavelおよびGold IAP Presidential Pinを引き継ぎ、理事長(President)に就任した。

 

IAP Presidentに引き継がれれGavel小槌(左)とPresidential Pin(右).jpgのサムネール画像

IAP Presidentに引き継がれるGavel小槌()Presidential Pin()


IAPの任務は、病理学の教育と研究の推進である。教育活動の主たる部分は、通常では世界中のDivisionおよび地区のAssemblyにおいて行われる。元来Face to faceの集会での意見の交換が基盤であるが、このコロナ禍の現状で、活動には工夫が必要となる。

幸い、病理画像のデジタル化が急速に普及し、ネットワークを世界に広げることにより新しい活動の活路が開かれるのではないかと期待される。

 

皆様のご支援により医学部卒業後50年の年にこのような機会をいただき大変光栄と存じます。IAPの活動においては、国内外の多くの方々にご指導・ご協力いただいております。日頃のご指導ご鞭撻に報いるため病理学のグローバルな発展に誠心誠意尽力致す所存です。引き続きよろしくご支援のほどお願い致します。

32ESP/33IAP学会は、本来Glagowで開催される予定であったが、COVID-19のパンデミックにより、126日から8日までVirtual開催となった。あらかじめ録画されていたセッションをプログラムの時間帯に沿って視聴できると同時に、学会後にon demandで視聴可能になっている。全体で4700名余の登録があったと報告されている。

開始直後に若干のテクニカルプロブレムがあった以外は、極めて順調に進行された。

Web on demandにより、希望するセッションはすべて視聴できる大きなメリットがある。反面、学会場にいるときと違い、日常の現場にあって視聴に充分な時間を取る努力が必要となる。IAP関連の理事会、委員会はすべてZoom meetingで順調に開催された。

会期中のInternational Council Meetingでの信任投票の結果、圧倒的な支持を受け2026年のIAP国際学会は福岡で開催されることが決定された。

8日の現地夕刻に閉会式であったが、日本では翌9日早朝3:45という時間であった。

ESP/IAPWeb開催であったが、大盛会裏に閉会となった。

学会HP.jpg
学会のHPでセッションをOn demand Videoで視聴可能である。


Session IAP.jpg
       収録されたセッションは466、総登録者数は4,762


1027日にIAC Tutorial Almaty, Hong Kong3回講演し、夜便で香港より移動し夜半の12時に上海に到着した。

蘇州へは列車で30分のところであるが、車を手配していただき、午前2時半頃に蘇州のホテルにチェックインした。

中華病理学会の開会式に8時から出席し、一端ホテルに戻り、午後2時からKeynote Lectureをした。

中華病理学会の講演風景.JPG

IAC Tutorial Almaty, Hong Kongでは、参加者が300名近く、極めて活気に満ちたものであった。

今回は、HKIAPHKIACの合同開催であった。私は、Neuroendocrine tumor, Ancillary and molecular techniques,Unknown cases3講演を行った。質問も多く興味をもって聴いてもらえた。

蘇州(Suzhou)での、中華病理学会は4000人規模の極めて大きな集会であった。今回は私の講演は中国語への通訳なしで、持ち時間を充分に使って"WHO Endocrine tumors 2017"に則って下垂体腫瘍と膵神経内分泌腫瘍(PanNEN)の講演を行った。気に入ってもらえたようで安堵している。

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私の人生の中で最もタイトなスケジュールとなったが、多くの方々のご支援で可能となった。心から感謝しています。

 

蘇州は、庭園が有名で、その中の一か所を見学した。

蘇州の庭園.JPG

また夕刻には、River Cruiseで町の夜景を楽しんだ。

蘇州のクルーズ.JPG

香港では、娘の家族と一緒に時間を過ごし、蘇州では中国の病理医の方々と旧交を温め、良い思い出を携えて帰国した。

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中央アジアに位置するカザフスタンの最大都市アルマトイ(Almaty)IACTutorialが開催された。古くはシルクロードのオアシスとして栄えた町。街中のサインはすべてロシア語。

食事は、馬、羊Lamが主体であった。人々の顔はアジア系の特色が強く感じられた。

 

ホテルで開催されたTutorial細胞診講習会。約100名が対象で3日間かけて細胞診断の基礎から最近の話題まで広範囲の講習である。今年は、Kuala Lumpurの次で2回目。

私も、3回の講演を行ったが聴衆はみな非常に熱心で質問も多かった。

  Lecture 1 Neuroendocrine tumors

  Lecture 2  Ancillary and Molecular techniques in cytology

  Lecture 3 Unknown cases in Cytology

 

会期中にIACの新メンバーの加入もあり成果の大きいTutorialであった。

 

レセプション.jpg

カザフスタンは、山岳地域で数時間ドライブで素晴らしい風光明媚なところが多いといわれているが、残念ながら時間がなく次回に譲ることとなった。

戦争モニュメント.jpg

毎回感じることであるがTutorialが盛会である充実感を持ってアルマトイを後にした。

お世話をいただいたDr. zhanar yeleubayeva にお礼を申し上げたい。

アイススケートリンク.jpg

616日より18日まで中国西寧市Xiningにおいて第15回全国細胞病理学会が開催された。Chinese Association of Cytopathologyの会長であるDr.Dong Ge Liuの招きで訪中し、

特別講演: Pancreatic Neuroendocrine Neoplasms(PanNEN) in WHO Tumor Classification of Endocrine Organs 2017:Update of Pathology and Challenges of Cytopathology. を行った。

私のほかに、海外からの演者は Ritu NayerBethesda Systemの講演を行った。

他の演題は当然のことながら中国語で行われたが、スライドの漢字をフォローすると可成りの部分が私なりに理解できた。

会場の様子4.jpg

西寧市は、海抜2,275メートルの高さにある高山地帯である。

イスラム教徒もいるが、多くは仏教徒である。

インドから中国を経て我が国に伝わった仏教は、偶像崇拝も含めて現在の日本の仏教とは異なる感じがした。

タール寺.jpg

424日から27日までインドネシアのバリ島; Bali Nusa Dua Convention Centerにて第10回のAsia Pacific IAP Congressが開催された。

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本学会は、IAPインドネシア支部との共催であり、また第12APSMIも同時に並行して開催された。インドネシア、アジア諸国はもとより、ヨーロッパおよび米国などからも参加者があり大盛会であった。

学会では、以下のシンポジウムで講演をした。

Endocrine pathology:

WHO Classification 2017of pituitary adenomas: What do we need to update?

Cytopathology:

The applications of immunohistochemistry and molecular pathology to cytological

Specimens from the lung tumors

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APSMIにおいては、友人の米国南カリフォルニア大学のDr. Clive TaylorAnthony Leong Memorial Lectureの講演を行った。Tony Leongは私およびJiang GuとともにAPSMIの創設者の一人であり、第9回のAPSMIKuala Lumpurで主催した直後に残念ながら急逝した。Tonyの病理学および免疫組織化学への情熱passionは今でも深く記憶に残っている。第11APSMITaipei)では私がAnthony Leong Memorial Lectureを担当させていただいた。

 

4月とはいえ、現地は、すでに真夏の暑さであった。余暇を見て山岳地帯へ行ってみたが湖を含む眺望は素晴らしいものであった。Nusa Dua Beachは数キロにおよぶ遠浅であり、海水浴を楽しむことはできなかったが、Beachの近くにいることの"うれしさ"を感ずる毎日であった。

Baliの景色.jpg

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