2017年2月アーカイブ

最近、人工知能AIの文字を新聞紙面で見ない日はない、と言っても過言ではないほどAIは、普及浸透している。書店でも、この分野での新しい書物が目につく。

AIも、現在は、それぞれの分野別に発展しているが、やがて統括し我々の日常に起きていることを、AIが代わる日もそれほど遠くないのではないか?という気がしてしまう。朝の通勤時、東京駅にある書店+カフェで書籍を見るのが楽しい。先日「人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊」井上智洋著という本を衝動買いしてしまった。まだ読み始めたばかりであるが、私にとっては未知のことが多く興味深い。AIがチェスに勝ち、将棋に勝ち、そして囲碁は不戦勝であったとか。そしてホーキンス博士は、AIが将来の人間に与える影響を心配しているということである。

そのような中で、私は今朝初めてAIと接点ができた。先日中学生の孫がiPhoneにセットしてくれたAI Siriに朝の目覚ましを頼んだのだ。昨夜ねるときに「Siri(呼ぶ時がちょっとこっぱずかしいが、、)に明日の朝6時に起こして!」とたのんだ。"わかりました"と言われたけど、心配だったので目覚まし時計もセットした。今朝、しっかりと6時に起こしてくれた!!感激と同時に、これからAIが私の日常にも入ってくる(すでに入っている)のだという実感がわいた。仕事の面でも、AIとの協調そして我々のチャレンジが急速に激しくなっていく予感が実感に変わった。

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過日、New York Sloan Kettering Memorial Cancer Center(SKMC)の会議に招聘された際に、寸暇を惜しんでNew York Metropolitan Museum(NYMAM) を訪れた。

限られた時間の中、印象派絵画に限って鑑賞することにした。

印象派の絵画を、私が好きな理由は、"わかり易い" "色が美しい" "構図が良い"点に集約される。NYMAMは、写真撮影が自由なので私も数点を撮影した。カメラは、10年来使用しているCanon。 絵画館を出て、後日改めて写真をみた瞬間その、構図のみならず色彩の美しさに目を奪われた。写真をみて改めてそう思う。

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病理学は、顕微鏡で組織(細胞の集塊)および細胞を見て、疾病の診断および研究をする学問である。日頃私が良く口にするのは、病理学はScienceであると同時にArtとしてのファクターも重要ということである。

病理学の"真実"を"わかり易い""色が美しい"、"構図が良い"写真(イメージ)で示すことを常日頃勤めている我々にとって、美術館鑑賞は趣味であると同時に、感性を研ぎ澄ます修行の場でもあると言える。

間もなく生誕80周年を迎える天才Lee Morgan

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奇しくも私の誕生日219日の未明(New York)に僅か33年の人生を終えたLee Morgan。彼は、幼少のころからその才能を見出され、短い人生の間に30枚のアルバムを録音し、そのほとんどがCD化され普及している。

いつLee Morganの虜になったか定かでないが、私もいつしかCDを買いあさり、その半分くらいは所有して、時々聞いている。

私は、特に音楽の世界では、天才がいると確信している。Lee Morganは紛れもなくその一人である。天才が奏でるトランペットに酔いしれるとき、人生の心の宝物を探り当てたような気持ちになるのである。

音楽論を展開する気はないが、私の好きな曲にDesert Moonlightがあるイントロは"月の砂漠"でそのあとアドリブが見事に展開してゆく。なぜ"月の砂漠"なのか? その他Yama, Kozo's Walzなど日本になじみのタイトルがある。

日本との接点は何なのか? 実は、Lee Morganには、Kiko Yamamotoという日本人(日系アメリカ人)の奥さんがいた。日本人はPatient(我慢強い)だという評判で当時のジャズ演奏者はこぞって日本人と結婚した(がった)そうである。Art Brakey & Jazz Messengersの一員として来日した際には、夫婦で来日したそうである。しかし1972219日に33歳でCommon-law wifeに射殺されて生涯を終えてしまう。致命傷ではなかったが、雪深いNY、救急車が動けず間に合わなかったという。この年、私はDenverで病理の研修医であった。天才の奏でるトランペットに至福の時を感ずる。人生って素晴らしい。そういえば、私の娘も219日生まれだが、その日のDetroit(当時私はHenry Ford Hospitalに勤務していた) も夜中から大雪であったことを思い出した。

最近では、ほとんどCDしか聴かない、それもJazzばっかり、の毎日だが、先日部屋の隅に静かに眠っているLPレコードの棚を眺めてみた。保存しているLPレコードには、ジャンルはいろいろあるものの、今よりはクラシックが多い。

昔、といえば学生時代、なんと50年前のことだ。当時私は、ショパンのピアノ曲に陶酔していた。中でもRubinsteinの演奏するピアノ曲Nocturne Scherzo, Balladなどが好きだった。最も私が聴いていて喜びを感じるは、ピアノ協奏曲第1番であった。Rubinsteinの奏でるピアノの旋律とオーケストラのハーモニーの美しさ、私を恍惚とさせるのに充分であった。

棚の中に、当時何百回となく聴いた一枚のレコードを見つけた。

Chopin*, Arthur Rubinstein, Stanislaw Skrowaczewski. The New Symphony Orchestra of London - Concerto No. 1

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コードのジャケットを見ながら昔の記憶がよみがえり、久しぶりにターンテーブルにLPを乗せて演奏を開始した。CDに比べて、LPは何と柔らかな深みのある音色を奏でてくれるのだろうか?昔のままだ。このLP50年間の間に、医学部を卒業した私と一緒に米国に渡り音色を奏で、帰国した後はずーと眠っていたのだ。米国の中でも引越しを重ね、その都度一緒に移動した。学生時代からは何百回と聞いたかもしれないほど良く聴いていた。 レコードは素晴らしい!針の雑音も少なく邪魔にならないほど保存状態は良好で。Jazzで鍛えられた耳にクラシックは優しく語り掛けるようであった。ショパンなんと美しいことか?

学生当時どのようにして私がショパンに陶酔したのか記憶が定かでないが、私の琴線に触れた瞬間があったことは事実である。それもRubinsteinに!アルトゥール・ルービンシュタイン(Arthur Rubinstein)( 1887128 - 19821220日)は、ポーランド出身のピアニスト。Rubinsteinは改めて調べてみると2歳の時に姉の引くピアノを聞いてすでに自分で弾いたというからまさに神童であった。ショパンの演奏ではナンバーワンと言われている。

私は、音楽家のDNAが受け継がれているとは思えない家系であるが、ショパンに陶酔しきった50年前があったこと、同じLPの奏でる音を再現し、今も当時と同じように(あるいはそれ以上に)その美しさに恍惚となれたことに、この上ない喜びを感じている。ショパンは、39歳でこの世を去っているが、天才の感性に触れることが出来る自分に若干の誇りも感じている。

Arthur Rubinstein Wikipedia