2016年12月アーカイブ

アブダビでのIAC Tutorialを終え、帰宅する時間もなく、成田空港で乗り換え台北にて開催の第11Asia Pacific Society for Molecular Immunohistology(APSMI)に向かった。

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129日夜9時過ぎに台北に到着しホテルに直行した。翌1210日午前11時より、Anthony Leong Memorial Lecture "Challenges of Molecular Immunohistology in Genomic Era" を特別講演した。

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APSMIは、10余年前に、オーストラリア(当時)のAnthony Leong、中国のJinag Guと私が発起人Foundersとなって、同志を募ってアジア太平洋地域での分子病理、免疫組織化学の活性化を目指して立ち上げた学会である。今回で第11回であるので、年々活発になり、10年間の節目を超えて次の10年に差し掛かったということである。

Tony Leongは、活動拠点を故郷のMalaysiaに移して更なる活躍残が期待されていたが、残念にも、2011Kuala LumpurAPSMIを主催し間もなく、病に倒れ亡くなられた。

Tonyは、免疫組織化学の基礎と病理診断への応用において輝かしい成果を残された方であり、そのMemorial Lectureを依頼されたのは極めて光栄なことであった。私は、APSMIを立ち上げて以来、この10年間での著しい進歩に触れながら、またTonyの輝かしい足跡に思いを馳せながら1時間の講演をした。実に900名を超す参加者があり大盛会であった。Shih-Ming Jung会長に、心よりの御祝いと深甚なる謝意を表したい。

また、国際細胞学会での台湾を代表するDr. Laiが故宮博物館、旧大統領邸を案内してくださり、楽しい時間を過ごすことが出来た。

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128日から10日まで、アラブ首長国連邦の首都アブダビにて、IAC主催 Ist International Conference on Cytology in UEAとの合同開催としてIAC Tutorial が開催された。

アブダビも20世紀終盤に石油が主たる産業となって以来いわゆるOil Moneyにより非常に豊かな地域に変貌している。多くの高層ビルが立ち並び、会場となったホテルも極めて豪華絢爛の極みを呈していた。Tutorialも、UEAを主体とした近隣諸国から200名以上の参加者があり、盛会であったのは喜ばしい限りであった。

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IAC理事長として大変嬉しく思っている。私は、次の台北で1210日にAPSMIでの講演があったので、8日にまとめて3回講演した。

1. Ancillary and Molecular Testing

2. Case Discussion - Ancillary Testing

3. Neuroendocrine tumor

私の講演に対しても色々と質問がなされたが、いずれも学問的に高度な内容でもあり、UEAおよび周辺での細胞診断の水準の高さを物語るものと思われた。

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アブダビには、イスラム教のモスクGrand Mosque があり、夕方に訪問したが、その荘厳で雄大なたたずまいに感動したが、夕日を沈むまでの赤くそまるMosqueは文字通り必見に値するものであった。

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USCにて一年次に病理学総論 腫瘍IIIの講義と実習をした。

「腫瘍とは」の講義を1時間したのちに、小グループに分かれて実例写真を見ながら討論した。

また、20人を4組に分けて、腫瘍症例をグループ討論させて、それぞれの代表者がプレゼンした。

短時間ではあったが、よく内容を把握して、的確なプレゼンを行った。

いまだに我が国と違う点は、学生からの質問が活発になされて、指導教員と学生との間のInteractionが当然のように行われることであろう。

学生からの手ごたえを得ながら活発な教育が出来る点は USCに来ていつも、感じることではある。

20161129USC (3).jpg写真は、USCキャンパスの中庭であり、昼休みには多くの学生教員が行き交って談笑している風景を良く目にする。
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1029日から31日まで北京国際会議場で開催されたInternational GYN/OB Pathology Congress(国際婦人科病理学会)に招聘され出席して講演した。

3日間の会議であったが、総参加者数は400名を超え大盛会であった。

多くの中国国内の出席者の他海外からは、ヨーロッパ、米国、アジア(日本、香港など)多彩であり、婦人科・産科病理の領域の専門的な立場から各領域のUpdateした全般的な講演を聞くことが出来た。

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私は、子宮頚部に発生する神経内分泌腫瘍・癌(NET NEC)の講演を行った。多くの症例がNECであり、NET/NECともhigh risk HPVと関連しているなど、非常に興味ある知見を中心に述べた。

学会の運営なども非常に効率よく友好的であった。

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駿台予備校 市谷校舎で、駿台OBとして 駿台構内生特別イベント 20163回 医系特別講演会に招かれ、前途洋々たる学生諸君に「医療の進歩と病理診断~国際的チャレンジそして常に前進」という講演を行った。

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新校舎となった駿台御茶ノ水校舎。私が通った半世紀前に比べると新鮮な感じを受ける。

私の講演では、私が歩んできた下垂体研究、病理診断、海外活動などを振り返りながら、人生で重要なこととして、

【1】     夢を持ちそれに向かって邁進する

【2】     そのための気力と体力を育成する

【3】     友人、人間関係を大切にする

【4】     研究は若いうちが勝負

【5】     海外に向かって大いに発信する

などを強調した。

若い柔軟性のある諸君たちが少しでも意気に感じてくれれば幸いと思っている。

質問も的確な内容が多く、私の話に共感を覚えてくれた学生も少なくない手ごたえを得た。


以下の内容で、病理診断の現状および私の歩んできた人生(生き様、人生訓)などを話した。

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ECC2016.jpgのサムネール画像
ドイツのケルン市で開催された第31IAP国際学会が終了後、ロンドンで一泊した後、欧州細胞学会に出席のため汽車でリバプールに入った。のんびりとしたなかなか良い旅であった。

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学会初日には、IAC理事会が開催され、理事長としてはじめての理事会を取り仕切ることとなった。

主な決定事項は、シドニーの次の2022年の国際細胞学会ICCの開催地の審議・決定であった。

6か所からのbidがあり、充分に時間をかけて慎重に審議し投票結果によりケープタウンが選出された。


学会のプログラムも、婦人科、呼吸器、消化器、乳腺、内分泌(膵、甲状腺など)、泌尿器系、脳神経系 など広範にわたり、多数の出席者により活発な討論がなされた。

乳腺では、IACによりFNAのガイドラインが"Yokohama system"として企画されておりシンポジウムでその内容が議論された。

私は、105日(学会最終日)に以下のタイトルで講演した。

Companion society symposium: IAC A Breast FNAB Cytology Reporting System: raft Proposals reast FNAB Categories: suspicious and malignant

リバプールは、ビートルズが生まれ育って活躍した場所でも有名であり、Beatles Magic Tourなるそれぞれの生家、育った場所などを回るツアーもある。写真は、Paul McArtney, John Lenonの生家である。

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さる925日から29日までドイツのケルン市CologneIAP国際会議が開催された。

ケルン市には、ライン河沿いに有名な大聖堂があり多くの観光客を集めている。夜はライトアップされてまた美しい。大聖堂の周囲には、我々の知るドイツ風のヒアホール、レストランが並び夜にはことさらの賑わいを見せている。

IAP国際学会であるが、4000名を超える参加者が集い、大盛会であった。

日本から参加された多くの先生方ともお目にかかることができた。

私は、以下の2回の講演を無事終えることが出来た。

925SY-02 Working Group Symposium Endocrine Pathology:

What's new in the new WHO classification of endocrine tumors?

Update of WHO classification of pituitary tumours

926Working Group Long Course Cytopathology:

Cytopathology in the genomic era

Cytology-perfect targets for genomic detection

International Council Meetingの投票で、2022年はオーストラリアのシドニーで開催されることになった。日本は福岡開催でbidしたが、次回の2024年の開催を期して再度準備することになった。

IAP国際学会は、2018年は、JordanAnman市、2020年はGlasgow市で開催されることが決定されている。

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