2020年 医学部卒業後50年:内分泌病理学

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米国コロラド州デンバーに留学中, 私は免疫組織化学の発案者である中根一穂教授(Prof. Paul K. Nakane. PhD)から直接手ほどきを受け、当時中根教授が興味を持たれていた下垂体の組織学及び病理学に興味を持った。 後にヒト下垂体腫瘍へ免疫組織化学を応用し腫瘍の分類を体系化した。下垂体を通して内分泌細胞のホルモン産生機序とその異常(病理)に興味を持ち内分泌病理学を専門分野とするようになった。他所にもすでに記載したこともあるがコロラド留学中に発見した ACTH産生細胞の変化がすでに30年以上も前にCrooke変性として報告されていたことは忘れ得ない経験である。最近経験することであるが、このCrooke変性を伴う下垂体腫瘍が稀にではあるが癌化し、肝転移をする事実は今持って驚かされる。長年この領域の研究に情熱を注いできたが、WHO Endocrine tumors 2017Volume Editorを努めることができたことは、大変に光栄なことだと思っている。

最近は、内分泌病理学の分野として、肺のカルチノイド/神経内分泌腫(Carcinoid/NET)のチャプターの執筆を受けたりする立場になっているが、私の最初に書いた英文論文"Peripheral and spindle cell carcinoid of the lung"は、1973年にコロラド留学中にArchives of Pathology and Laboratory MedicineCAPの機関紙)にCase reportとして投稿したものの、見事にRejectされてしまった。落胆したものであったが、そのご奮起して多くの論文を書くことになった。今日PubMedPeripheral Spindle cell carcinoid of the lung検索すると最近(2018年)でも"私が最初に目を付けた"病変の報告がhitする。George Papaxoinis & Angela Lamarca & Anne Marie Quinn & Wasat Mansoor & Daisuke NonakaClinical and Pathologic Characteristics of pulmonary Carcinoid Tumors in Central and Peripheral Locations  Endocrine Pathology (2018) 29:259-268

私の長い内分泌病理学の中で記憶に残る事象である。

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