2020年 医学部卒業後50年 国際病理学 International Pathology

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私の国際的な病理学の活動は、米国留学に始まる。国際病理学という学科目があるわけではないが、私の病理学の活動を"国際病理学"と称してまとめてみたい。 

1970年から1974年はコロラド州デンバーで病理診断学を研修し病理学研究の取り掛かりを得ることができた。1974年から1年間ミシガン州デトロイト市にあるHenry Ford Hospitalにて外科病理学のフェローとして勤務した。 5年間で病理診断学全般を習得し、研究のテーマを見つけることができた。1975年の3月に初めて米国の病理学会、New Orleansで開催されたUSCAPに参加したことも、 後に数多くの国際学会に出席する事の始まりになった。 学会に採択された抄録は、神経内分泌腫瘍の一つである嗅神経芽腫 olfactory neuroblastoma / esthesioneuroblastomaであったことも、後に内分泌病理学を専攻することになった因縁を感じるものである。 この腫瘍は論文として1976年に雑誌Cancerに掲載された。雑誌に採択された私の初めての論文であった。それ以来毎年開かれるUSCAPには、抄録を応募して参加している。

当時New Orleansで体験した本場のJazzに魅了され現在に至り、病理学と同じくらい情熱を傾けている。

留学から帰った後も、USCAPを初め、多くの病理学、細胞診、内分泌学、組織化学の国際学会に出席し研究成果を発表した。日本を留守にすることが多く、周囲に迷惑をかけることも分かっていたが、ご理解とご支援をいただけたことに深く感謝している。これまで英文での論文発表も500編を超えるまでになった。 それぞれの学会で多くの国際的な知己を得ることが出来た。2008-2012には、国際組織細胞化学会議(IFSHC)の理事長、2016-2019には、国際細胞学会(IAC)の理事長を拝命したこの上ない名誉な事であり、多くの方々のご支援、ご協力に感謝するものである。

今年のUSCAP229日~35日にLos Angelesで開催された。現地に到着した翌日に米国でCOVID-19による最初の死亡者が報告され、まさにOutbreakの始まりであった。少し遅ければ大Outbreakに巻き込まれ帰国もままならない事態であったことを想像すると運が良かったと思う。それ以来、国内外のほとんどの学会が延期あるいはWeb開催となっている。まさに今まで経験したことのない事態である。

来る121日から私は、International Academy of Pathology(IAP)国際病理アカデミーの理事長を拝命する予定であり これまでのご支援に応えるべく全身全霊をもって活動する覚悟である。任期は2年。 残念ながら当初8月にGlasgowで開催予定されていた国際学会ESP/IAP学会が、COVID-19の猛威を受けて、 12月に延期になった。無事開催されることを心より祈るものである。IAPの活動の中心は、国際的な病理学の教育である。近年急速に発達したデジタル病理学を用いて、 グローバルな視点から、各領域に合わせながら教育の充実、精度向上に勤めて行きたい。また、2026年に開催予定のIAP国際学会に福岡市が立候補しており、開催に向けて最大限のご支援をする所存である。

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