逆風に立つ 松井秀喜の美しい生き方

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 伊集院 静 著 [角川書店]を 読んで

 

逆風に立つ 表紙.jpg自らも野球選手であり、米国メジャーリーグにも通じている伊集院静氏による 松井秀喜氏についての素晴らしい著書である。伊集院夫妻との交流も暖かく描かれている。

わが国の巨人軍で名声を博していた松井選手がメジャーリーグのニューヨークヤンキースへ移籍した時のことば、"日本のファンを裏切るかもしれない""やるからには命がけでやる"が印象的に語られている。あえて逆境に自分を発たせて、頑張る松井の人生感の表れと言える。

 

松井選手は、人に対して礼儀正しく真摯に対することが身に着いており、子供の頃食事の時に父親から"他人の悪口を絶対に言わないこと"を指摘され約束し、それを違わず実行していることも素晴らしい。アメリカの社会では、なかなかないことと思われるが、松井選手がヤンキースで充分に活躍出来ずにチームが負けた際には、監督に自分の働きが悪くチームが敗戦し申し訳ない"と謝罪した。これには、トーリ監督と同僚のジータ選手も感激し生涯の友情を培うこととなった。

本書のところどころに、「人の悪口は言わない」「誠心誠意生きる」「善意は黙って実行」

などが表現され 松井選手の素晴らしい生き方が手に取るように分かる。

また、生涯の師となる長嶋茂雄氏からは見えないところで"練習"をすることを厳しく叩き込まれる。今回、国民栄誉賞を二人で受賞したことは素晴らしい。

本書は、人間愛、友情、野球への愛を中心とした松井像が 素晴らしい文章でつづられている。 これからチャレンジする若い人に進められる名著といえる。

 

先日の5月5日に、東京ドームにて松井秀喜氏と長嶋茂雄氏の国民栄誉賞の受賞式が執り行われがが、その中にも松井氏が長嶋氏を師と仰ぎ敬う姿をみて、本書の松井像が真であることが実感した。

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