新年2012年を迎えて Pathology Cockpitの実現と病理診断の国際展開を目指して

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若い病理医の活躍を期待

 

新年を迎えて、国際的な視野を踏まえて我が国の病理学の展望を考えてみた。

 

日常の病理診断では、"正しく速く" の要望も、術中迅速診断の需要も明らかに増加してきている。我々が、日常扱う診断の種類は、"癌か否か"" "癌の分類" などが主であるが、日本人の寿命が著しく伸びてきているのに相応して癌の診断も増えてきていると思われる。

肺癌、結腸・直腸癌、乳癌など著明に増えている。

診断の内容も、昨年までに分子病理診断が著しい普及を示してきており、乳癌のHER2の過剰発現、遺伝子増幅、肺癌のEGFR 突然変異、GISTKIT突然変異など必須の診断項目になってきている。今年も、効果的な治療のためその重要は益々増加し、その種類も幅広いものになってゆくものと期待される。KIT化も進んできており、解析も簡便になって行くものと思われる。

 

病理画像をデジタル化することを応用する遠隔病理診断Remote pathology diagnosisも国内の局所での活用(病院間)が確固たるのと位置付けられ、全国展開が期待される。

組織画像をデジタル化することにより、いつでもどこへでも送信することが出来、その画像を自動解析することも可能である。システムとしては、複数の企業が競争して、デジタル化のスピード、デジタル画像の質など"より良い機器"の開発に全力を投入している。

大型モニターを2台並べて、臨床情報、肉眼所見、組織所見、分子病理解析結果などを踏まえた病理診断をパネルとして完成させる。このシステムを "Pathology Cockpit" と称して デジタル化することにより一個人の情報を総合的にレビューしながら、より的確な病理診断が期待されている。

 

One-day Pathology 更に病理診断に望まれることは、"速く的確な病理診断"であり、現在の技術では2時間弱でパラフィンブロックを作成することのできる機器Xpress®が注目されている。このシステムの導入により、午前中に採取された組織検体は、午後に最終診断を報告することが出来る。これをOne-day Pathologyと呼んでいる。外来での患者への対応、比較的小型臓器も対応可能である。このシステムにもDigital pathologyが大いに活用される。

 

病理診断の国際性も今後益々期待される。若い病理医が海外に出て積極的に情報発信する傾向はUSCAPで見られ、大変嬉しく頼もしく思っている。数年前より、日本から参加する病理医、米国等海外で活躍している日本人病理医が参集する機会 "Japan night"を企画しているが、年々参加者も増えてきており、最近では7080名に達している。

今年度のUSCAP  Vancouver市にて 2012 March 17-23に開催される。

また、今年は、2年毎に開催されるIAP国際学会が開催される年であり、南アフリカ Cape Town市において930日から105日まで開催される。

国際医療福祉大学三田病院からも、シンポジウムなど演題の発表が予定されている。

 

このように、病理診断もここ数年でDigital化が進み、益々国際化が要求されるようになることは、間違いがない。若い医師の病理診断領域への参画が大いに期待されるところである。

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