第10回テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会に出席して

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Digital Pathoogy(DP) Whole Slide ImagingWSI)が国際用語に

 

さる99日、10日と京都リサーチパークにおいて、表記の学術総会が開催され、120余名の出席者があり、盛会裏に閉会した。

本学会をフルに参加したが、議論は極めて活発であった。発表内容は、基礎、技術、応用、行政など多岐にわたっており、また企業(Vendor)からの情報提供も極めて盛んであった。

 

先日のカナダのケベック市で開催された第一回国際会議の会長をされた八木由香子先生も今回参加されていたが、諸外国の状況を見ても、病理画像はデジタルの方向に向かっている。特に、カナダで国策として病理診断のために行われているDP、米国のCAPで行われているDPValidationのガイドラインの作製など 我が国が参考に出来ることは多い。

放射線画像、肉眼像、Biomarker、病理組織像、分子病理などがモニター上で同時に観察でき、疾患を総合的に診断することがメリットである。Ptathologist's Cockpitと言われている

The 2020 Paradigm.jpg

わが国でも、テレパソロジーによる迅速診断はいち早く厚労省が保険収載して現在に至っているが、前回の改訂で病理診断料、細胞診断料も請求できるようになっている。我が国でも、遠隔であり、病理医が不足している医療施設では、"必要に迫られて"日常の病理診断を"法的に問題ならぬよう"工夫しながら行っている現状も明らかになった。

今後、行政への積極てきな働き掛けが重要である。

 

また、企業Vendorも国際メーカー、外資系メーカーから情報提供があり、展示Boothでも実際に供覧が可能であった。それぞれの特徴を生かして、凌ぎを削っているが、こと病理に関して言えば、 "良い画像を速く取り込んで、速く送って、モニターの上で速く診断がつく" システムの構築が重要である。CAPでも、システムとしてのValidationが協調されている。是非、互換性のあるように、標準化も視野に入れてお願したい。

 

最後に、国際展開であるが、アジアを見る限り外資系の企業の参入が目覚ましい、国産の企業も自由競争の場としてのアジアに積極的に展開して欲しいと感じている。

私は、指定講演II  "Digital pathology:世界情勢と我が国の国際展開" を行って、種々の課題に触れた。会場の若い病理医からも、若手の英語教育に力を入れるべきであるなど、熱い力強いコメントが寄せられた。

10周年を迎えて、このようなDPに関して総合的な議論の出来る場を提供していただき、大盛会を迎えられた、会長の土橋康成先生に心よりの賛辞を送りたい。

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