2010年9月アーカイブ

 

さる830日より93日までポーランドのクラコフ市にて開催される表記の学会にてシンポジウム"Neuroendocrine tumor of the Digestive Tract"にて招請講演"Neuroendocrine tumors(NETs):Diagnsois, Prognosis and Therapy"を行った。4日間のプログラムは、主として病理診断に焦点を合わせたもので、臓器別あるいは横断的なトピックスが豊富に組み合わされていた。

ECPの特徴として、臓器別テーマ、横断的テーマにそれぞれエキスパートによるWorking Group(WG)が組織されていて、プログラムの構成に寄与していることをあげることが出来よう。ヨーロッパの病理としてのまとまりが大いに感じられた。日本からの出席は私を含め数える程であった。来年は、827日から91日までECPがヘルシンキで開催予定である。

私のセッションでは、消化管の神経内分泌腫瘍について4名の演者が講演した。予後、治療など課題の多いテーマに議論が白熱した。消化管神経内分泌腫瘍は、今年のWHO New Classificationが出版されることになっている。本腫瘍での臓器特異的な特徴なども大いに議論された。ブログ用20100916.jpg

学会バンケットは有名なヴィエリチカ岩年採掘場の地下深くまで掘り下げたところで行われた。アウシュビッツ強制収容所では、"人類が決して忘れてはならない"史実を目の当たりに見た。更に、市内の聖マリア教会は素晴らしいものであった。

 

※写真はWawel Cathedral

 

 

Trasutuzumabの胃癌への適応を控えて―

 

去る201053日から5日まで毎年一回行われているPAB Meetingがスイスのバーゼルで行われた。当日の出席者は写真のごとくである。

 

group photo ブログ用.jpg

昨年から、Trastuzumab(抗HER2抗体)は従来の乳癌への応用に関する病理学的事項を論ずるだけでなく、胃癌への応用を検討することとなった。今年度のMeeting2日間で、一日目は胃癌を二日目は乳癌を検討した。Globalには、Trastuzumabが胃癌への適応承認を視野に入れて、その際の効果が予測される腫瘍の選定基準が急がれているが、乳癌の場合の選定基準が基本になるものの、重要なmodificationが必要であり、胃癌の判定に向けたガイドラインを作るべく作業が進められている。我が国でも、ガイドライン、免疫染色、遺伝子解析In situ hybridization:ISHのアトラスの作成中である。

免疫染色の判定はもとよりISH法の判定など病理医が主導して胃癌の医療にかかわることになる。

 

※写真の説明 

Date July 5/6 2010

Basel

Venua: Ramada Plaza

Invited Advisors:

Michael Bilous

Mitch Dowsett

Wedad Hanna

Robert Osamura

 

 

Frédérique Penault-Llorca

Josef Rüschoff

Marc van de Vijver

Giuseppe Viale