12月14日、15日に沖縄県那覇市で開催された第11回の日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコープ研究会にDr. Tran Minh Thongが招聘され来日された。
部下の若手病理医Dr. Pham Quang Thongにわが国の病理を見学させようとの意図もあり、二人で来日された。
チョーライ病院と国際医療福祉大学(IUHW)は永年にわたり友好関係にあり、Dr. Tran Minh Thongは昨年の経産省のプロジェクト"遠隔病理・画像診断によるアジアの医療支援"の実験を行った際のベトナム側の病理を担当された。
プロジェクトでは、昨年11月1,2日と3日にかけて、チョーライ病院とIUHW三田病院の間をネットワークで結び、病理組織のデジタル画像の評価を行い、遠隔でも良好な病理画像が観察され、両者での病理診断の一致率も非常に高く、実用化の可能性を確認した。
学会では、特別シンポジウム"テレパソロジーによるアジア医療支援"で私とDr. Thongでベトナムの病理の現状、昨年のプロジェクトの成果、そしてわが国の病理に対する信頼と期待などについて講演した。
それに先立ち、12月12日に、三田病院の病理診断センターを訪問され、"新しい病理診断センター"を見学された。分子病理診断室、テレパソ室などの備わった病理診断センターに感銘を受けられ、若いDr. Quang Thongもしばらく滞在して勉強したい強い意向を示された。
その後、本学の高木邦格理事長へ表敬訪問した。高木理事長からは、今回の訪日の目的について質問され、Dr. Tran Minh Thongからは三田病院でのmodern pathologyに感銘を受けられた点、チョーライ病院病理から若い病理医を留学させたいなどの話があり、理事長からも"若い病理医はどのくらいの期間留学したいか"などの問いかけがあり、和やかなうちに表敬訪問を終えた。
15日のシンポジウムでは、ベトナム、ラオス、インドネシア、中国(カナダからの出席)、シンガポール、フィリピン、パキスタンなどの病理の現状が発表され、テレパソロジーの必要性と期待が強調された。ベトナムを含め、テレパソロジーはまだ導入されていない国が多く、今後のアジア地区での協力体制の確立が重要であると感じられた。また、日本からの支援に対する期待も極めて大きいことが実感された。
Dr. Thongとは、沖縄を見て回る時間も少なかったが、首里城の中を散策することが出来た。
16日の朝に、那覇空港まで同行して、お見送りをした。
短い期間ではあったが、アジアの友人と一緒に時間を過ごせたことは、極めて有意義であった。